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不動産担保ローンにも「審査」があります。当然ですが、審査を通らないことには不動産担保ローンで融資をしてもらうことはできません。ここでは不動産担保ローンで審査される審査項目・審査基準について解説します。
不動産担保ローン審査で金融機関がチェックしたいこと
ずばり、金融機関が審査であきらかにしたいことは
「融資額の回収ができない=貸し倒れの可能性があるかどうか?」
だけです。
お金を貸すことが仕事の金融機関は、返してもらわなければそれはそのまま損失になってしまいます。不動産担保ローンの場合は担保を売却しても回収できなければ意味がありません。融資額の未回収のリスク、貸し倒れのリスクを軽減するために審査を行うのです。
不動産担保ローン審査項目
審査項目その1.担保価値
不動産担保ローンは、不動産という担保を元にしたローンです。最重要なのは、この不動産に担保としての価値があるのか?担保価値はいくらなのか?を審査することです。
担保として十分な担保価値があると判断できるのであれば、他の返済余力が多少劣っていても、金融機関としての貸し倒れリスクは少なく、最終的に「不動産物件の売却で回収できれば良い」という考えになるからです。
不動産の担保価値が不動産担保ローン審査での最重要項目であることは間違えありません。
審査項目その2.他社借入・返済状況
不動産担保ローンに限った話ではありませんが、他の借入の状況も重要な審査項目になります。
- 他社借入の額が多すぎる場合
- 返済遅延を繰り返している場合
などは審査に通らない可能性が出てきてしまうのです。他社借入・返済状況は信用情報を照会することで金融機関側が調べることができます。
- 個人向け不動産担保ローン → 個人信用情報
- 法人向け不動産担保ローン → 法人信用情報・帝国データバンク
審査項目その3.税金未納・税金滞納
税金を支払っていない場合にどうなるか?というと不動産を売却しても、第一優先は税金返済、税金の取り立てが優先されてしまうのです。
抵当権が第一順位だとしても、税金の回収の方が優先されてしまうのです。
ということは、不動産担保の担保価値が十分だったとしても、税金未納、税金滞納がある場合には、返済不能時に物件を売却しても税金滞納分を先に税務署に取られてしまうため、十分に回収できないリスクがあるということになってしまいます。
不動産担保ローンでは他のローンと比較しても税金未納・税金滞納は重要な審査項目になるのです。
審査項目その4.収入と借入額の割合(返済負担率)
収入に対して借入額が大きすぎる場合には、審査に落ちてしまうケースもあります。
返済負担率 = 年間の返済額 / 年収
返済負担率などで収入に対しての返済の割合が高すぎないか?をチェックするケースが多く、この割合が35%を超えてくると審査に落ちてしまう可能性が高まってしまいます。
単純に収入が大きか少ないか?ではなく、収入に対して借入額が多いのか?少ないのか?が審査されるということです。借入額が少ないのであれば収入が少なくても問題ないという考え方になります。
法人の場合は年収ではなく、年間のフリーキャッシュフローで審査が行われます。
ただし、無担保ローンと比較すると、返済負担率は厳しくありません。
審査項目その5.勤続年数・事業年数
収入の安定性を図る指標として
- 個人 → 勤続年数
- 法人・個人事業主 → 事業年数
が審査では重視されます。転職を繰り返していて勤続年数が短い方はそれだけ収入が不安定と考えられてしまうのです。
法人・個人事業主の場合も、事業歴が短いと安定した収益が出せているかわからないと判断されてしまいます。
基本的には2年以上の勤続年数・事業年数があれば不動産担保ローンの審査でも問題ないと考えられています。
ただし、勤続年数・事業年数も無担保ローンの審査と比較すると厳しくはありません。
審査項目その6.雇用形態・職種・業種
収入の安定性を図る指標としては雇用形態・職種・業種なども重視されます。
正社員 > 契約社員 > 派遣写真 > アルバイト・日雇い
というように雇用の安定性によって審査の評価は変わってきます。
職種・業種でも収入の安定性は審査されます。
- 弁護士事務所、クリニック経営など安定した資格を有する業種
- 公務員、弁護士、医師などの資格を要する職種
の方は審査に通りやすく
- サービス業、飲食業など経営が不安定になりやすい業種
の場合は審査に通りにくいのです。
まとめ
不動産担保ローンの審査は、無担保ローンの審査と審査項目は同じなのですが、そのウェイトは大きく異なります。
- 不動産担保の価値
- 担保売却時の回収に影響する税金未納
が大きなウェイトを占めているのです。
担保がしっかりしていれば、無担保ローンで重視されるような
- 他社借入額
- 収入
- 勤続年数
- 雇用形態
などはそれほど重要度は高くならないのです。不動産担保ローン審査の無担保ローン審査との違いを把握した上で不動産担保ローン審査に申込みましょう。