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不動産担保ローン審査で重要視されるのは「担保価値」です。ここでは不動産担保ローンの審査基準「担保価値」について解説します。
「担保価値」とは
不動産担保ローンでは、融資した金額を返済できない状態になった場合には、担保にしている不動産を売却することで金融機関は、融資した金額を回収できるのです。
この「不動産担保」があるからこそ、不動産担保ローンは低金利で最高数億円という借入もできるローンなのです。
この「不動産担保」の価値(評価額)のことを「担保価値」と言い、不動産担保の評価額に応じて不動産担保ローンで融資できる金額が決まってくるのです。
相場では
不動産担保の評価額の7割 = 不動産担保ローンの限度額
という金融機関が多いです。
評価額が1000万円の土地を担保にするなら、700万円まで借りられる可能性があるということになるのです。
逆に言えば、希望する借入額の1.4倍ほどの「担保価値」がなければ不動産担保ローン審査には通らない、希望するお金は借りられないということになるのです。
不動産担保の評価額どうやって決まるの?
不動産は購入したときの金額が評価額となるわけではありません。不動産によってさまざまな評価方法があります。
土地
公示地価、基準地価格、路線価のいずれか、または全部を基準として時点修正などを行い評価
建物
実際の売買価格で評価、ある程度の評価基準を独自津に作って評価、原価法による価額で評価
貸ビル等の収益用不動産
収益還元法による評価
となっています。
不動産担保「土地」の評価額算定
路線価から計算することが一般的です。
路線価 = 路線(道路)に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価額(千円単位で表示しています。)
を見て、該当の土地が面している道路の「路線価」を調べます。
例
図の場合「2150」となっています。1,000円単位なので21万5000円/㎡の土地ということになります。
40㎡の土地の場合は
21万5000円/㎡ × 40㎡ = 860万円
で土地の価値は路線価で860万円ということになります。
「路線価」は公示価格の80%程度に設定されているため、路線価に1.25倍して公示価格の水準に合わせて土地評価額を出す場合もあります。
その場合は、860万円 × 1.25倍 = 1075万円
ということになります。
不動産担保「建物」の評価
実際に現時点で売却した場合の売買価格で出す方法や地域や建物の構造、種類など複数の条件によって㎡単価を定めて出す方法、原価法で算出する方法などがあり、こちらも銀行や保証会社によって選ぶ評価方法は異なります。
現時点で売却した場合の売買価格で出す方法が一番簡単でかつ周辺の類似物件の価格帯で審査のスピードも速くなります。
また、地域や建物の構造、種類など複数の条件によって㎡単価を定めて決める方法であれば、銀行や保証会社がはじめからエリアごとの㎡単価を設定しているため、簡単な計算で求められます。
原価法という正式な不動産鑑定の方法がとられるケースもあります。
原価法とは
対象不動産の再調達原価(もう一度同じものを立てるときにかかる費用)を計算して、この再調達原価について減価修正を行って対象不動産の価格を求める手法
減価修正
- 物理的要因:不動産の使用による摩耗及び破損、時の経過よって生ずる老朽化
- 機能的要因:不動産の機能的陳腐化(設備の旧式化、建物と敷地との不適応等)
- 経済的要因^ 不動産の経済的不適応(不動産とその付近の環境との不適合等)
簡単に言えば、同じ建物をゼロから作るときの費用を計算したうえで、築年数による劣化や駅からの近さ、駅の充実度などプラスマイナスの要因を算出して、現在の価値を算出する方法です。この評価方法はかなり時間がかかるので不動産担保ローン審査ではあまり取り入れられていません。
まとめ
不動産担保ローン審査では、不動産担保の価値が最重要なポイントとなります。
売却できない田舎の土地や山奥の不動産では、担保価値がなく不動産担保ローンの審査に落ちてしまうケースも少なくないのです。