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不動産担保ローン審査で重要視されるのは「保全率」です。ここでは不動産担保ローンの審査基準「保全率」について解説します。
「保全率」とは
「保全率」とは
融資額に対する担保の割合のこと
を言います。
保全率 = 担保額 / 融資額
で表すことができます。
例えば
1億円の不動産担保ローンの借り入れに対して、担保額が8,000万円の場合
- 保全率 = 8,000万円 / 1億円 = 80%
5,000万円の不動産担保ローンの借り入れに対して、担保額が5,000万円の場合
- 保全率 = 5,000万円 / 5,000万円 = 100%
3,000万円の不動産担保ローンの借り入れに対して、担保額が6,000万円の場合
- 保全率 = 6,000万円 / 3,000万円 = 200%
という計算になります。
当然のことですが
保全率が高い = 融資した金額を回収できるのに十分な担保を持っている
ということを意味します。
- 保全率が高ければ高いほど、審査に通りやすい
- 保全率が低ければ低いほど、審査に通りにくい
という関係になるのです。
また、不動産担保ローンの金利は「2.0%~15.0%」とかなり大きな幅が用意されていて、審査によってどの金利が適用されるのか?が決まるのですが、「保全率」もかなり金利設定に影響してくるのです。
- 保全率が高ければ高いほど、低金利が設定されやすい
- 保全率が低ければ低いほど、高金利が設定されやすい
ということでもあるのです。
保全率は何%必要か?
不動産担保ローンの審査では「保全率」と合わせて「掛け目」という考え方もあります。
「掛け目」は
担保の評価額に対して融資できる金額の割合のこと
です。
「掛け目」:70%
- → 担保の評価額に対して70%までの金額しか貸せない
「掛け目」:85%
- → 担保の評価額に対して85%までの金額しか貸せない
「掛け目」:100%
- → 担保の評価額に対して100%までの金額しか貸せない
ということを意味します。
「保全率」と「掛け目」の関係を考えると
- 「保全率」:100% → 「掛け目」:100%
- 「保全率」:125% → 「掛け目」:80%
- 「保全率」:141% → 「掛け目」:70%
となります。
不動産担保ローンの掛け目の相場は、70%ですので
保全率が141%以上でないと不動産担保ローンの審査は通らない
と言いかえることができるのです。
1,000万円の資金調達をしたいのであれば、1,410万円以上の不動産担保を用意しなければならないのです。
この「141%以上」が不動産担保ローン審査での審査通過できる「保全率」の目安と言えるのです。
「でも、保全率が100%あれば返済できなくてもカバーできるのではないの?なぜ、141%も必要なの?」
理論上は
1,000万円の融資に対して、担保が1,000万円あれば、貸し倒れ損失は発生しないのですが・・・
実務的に考えると
- 不動産の価値は変動する(時間が経つにつれて下がる可能性が高い)
- 不動産を売却するのに不動産会社へ支払う手数料が発生する
- 不動産を売却するのに手間、時間がかかる
・・・
ため、1,000万円の融資に対して、担保が1,000万円では足らないのです。
確実に貸し倒れリスクをヘッジするためには、1.4倍ぐらいの担保は必要になる
ということなのです。
保全率100%でも審査に通る不動産担保ローンもある!?
「どうしても、1,000万円の担保しか用意できないけれども、1,000万円の資金が必要。」
というケースもあります。
この場合は、「不動産担保ローンをあきらめるしかない」というわけではありません。
不動産担保ローン会社の中にも、保全率100%(掛け目100%)で借り入れができる会社があるのです。
例:総合マネージメントサービス不動産担保ローン
掛目 流通価格100%プラスα
となっています。
なぜ、こんなことが可能かというと・・・
総合マネージメントサービスは、不動産業も手掛けている不動産担保ローン会社だからです。
- 自社で「不動産の売却」ができること
- 自社に「不動産仲介手数料」が入ること
の2点があるため、保全率100%(掛け目100%)でも、融資ができるのです。
保全率の問題で審査に通らない方にはおすすめできる不動産担保ローン会社です。