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法人経営者や個人事業主が資金調達に利用するローンに事業者向けの不動産担保ローンとビジネスローンがあります。これにはどのような違いがあるのでしょうか?
不動産担保ローンと事業者向け不動産担保ローンの違い
有担保と無担保の違いが大きい
不動産担保ローンは不動産という担保が必要なローンなので、法人向けの有担保ローンという位置づけになります。
一方、ビジネスローンは無担保のローンなので法人向けの無担保ローンという位置づけになるのです。
「それだけの違い?」と思ってしまいがちですが、有担保であるか?無担保であるか?が色々な違いを生み出してしまうのです。
金利が違う
無担保であるということは返済が滞ってしまった場合、倒産してしまった場合に金融機関は貸し倒れになってしまうため、不良債権化してしまうのです。これは大きな損失です。
無担保であるビジネスローンの場合、このリスクがあるので金利は高く設定されてしまうのです。
一方、不動産担保ローンの場合は、万が一融資先が倒産したとしても、金融機関は担保を売却することで融資したお金を全額、もしくは一部を回収することができます。そのリスクが少ない分、金利は低く設定されるのです。
最大限度額が違う
無担保ローンのビジネスローンの場合は、最大でも1000万円程度しか借りることはできません。一方、不動産担保ローンの場合は、不動産の担保価値の7掛けであれば数億円レベルでの借入も可能なのです。不動産業者や不動産投資家などのある程度の規模の資金繰りが求められるケースでは、不動産担保ローンの方が向いているのです。
審査が違う
無担保ローンのビジネスローンの場合は、前述した通りで貸し倒れリスクというのが大きいのです。当然、事業歴や決算の状態、毎年のフリーキャッシュフローの金額など、様々な観点から審査を行うのでかなり審査が厳しいものなのです。
一方、不動産を担保にできる不動産担保ローンは、不動産の担保価値さえしっかりしていれば、赤字経営であっても審査に通る可能性がでてくるのです。審査は甘いと言っていいでしょう。
借り入れ可能期間が違う
無担保ローンのビジネスローンの場合は、長くても5年ほどの返済期間が設定されてしまいます。そのため、借入額にもよりますが毎月の返済負担というのは軽くないのです。
一方、不動産担保ローンの場合は、貸し倒れリスクが低く、かつ担保である不動産も年々不動産価値は下落していうというものの、その価値の減少のスピードはゆるやかであるため、長ければ20年という長期間の返済期間を設定することも可能なのです。長期借り入れの方が毎月の返済額は抑えられるのは言うまでもありません。
融資までの期間が違う
これは不動産担保ローンに担保があるからこそマイナスになってしまう部分です。審査の段階で「担保価値を評価する」という手順が必要になってしまうため、無担保ローンのビジネスローンと比較すると融資までに数日の時間が必要になってしまうのです。
ビジネスローンの場合は、早いもので最短即日融資が可能になっています。
諸費用が違う
無担保ローンのビジネスローンの場合は諸費用が発生しません。しかし、不動産担保ローンの場合は、担保評価にかかる人件費が諸費用として必要になる、登記をするための費用が必要になるなどローンを利用する段階で諸費用が発生してしまうのです。これは不動産担保ローンのデメリットと言えるでしょう。
不動産担保ローンとビジネスローンの比較
両方のローンを扱っているAGビジネスサポートで比較してみます。
不動産担保ローン | ビジネスローン | |
---|---|---|
融資額 | 100万円~5億円 | 50万円~1,000万円 |
利息(実質年率) | 2.49%~11.9% (※2023年1月23日以降の新規契約に適用) |
3.1%~18.0% |
返済期間・回数 | 元利均等返済:最長30年(360回以内) | 元利均等返済:最長5年(60回以内) |
契約時締結費用 | 印紙代(実費) 登記費用(実費) |
印紙代(実費) |
という違いがあるのです。
※AGビジネスサポートの不動産担保ローンは既存商品の取引中の方のみ利用できるのでビジネスローンを利用してから、不動産担保ローンを契約することになります。
不動産担保ローンとビジネスローンはどちらがおすすめ
不動産担保ローン
- 不動産担保がある方
- 長期の資金繰りに利用したい方
- 低金利で借り入れをしたい方
- 1000万円以上の借入をしたい方
ビジネスローン
- 担保がない方
- 短期的な資金繰りに利用したい方
- すぐに資金が必要な方
まとめ
不動産担保ローンも、ビジネスローンもメリットデメリットがあるため、資金繰りが必要な会社の状況に合わせて、特徴を比較検討し、選ぶ必要があります。